腕時計の女の子

お題「初恋はいつ?」

これを初恋と言っていいのか分からないが、3〜4歳くらいの時、近所に年の近い友人が2人いた。当時住んでいたところは田舎なので同世代の子供が他におらず、常に3人で遊んでいた。

 

ある日、その2人の内の1人がピンク色のプラスティックで出来たおもちゃの腕時計をしてきた。この子は男児だ。正直、子供だったし時計や色にそれほど興味もなかったので別に何とも思わなかった。

 

もう1人の子(男児)が「なんで時計なんかつけてんの?」と聞いたら嬉しそうにその腕時計の子が

「これオレのかわい子ちゃん‼︎」と言った

「へ?」となった。「かわい子ちゃん」と言う単語は初めて聞いたし、もちろん意味もわからなかった。で、その腕時計の子が時計の盤面を見せてきた。

 

そこには目のキラキラした見たこともないドレスを着た女の子の上半身の絵が書いてあった。少女漫画の絵だ。当時は漫画など当然見たこともなかった。

 

「ふーん」と言ってその日は帰ったが、見たこともない絵と聞いたこともない言葉を同時に浴びせられたその日から時計の絵の女の子が気になり始めた。夜寝る時にそのピンク色の時計の少女を思い出していた。シュールすぎる。

 

時計をつけてない時は「今日は時計してないの?」と度々聞いたりするほどになり、友達と遊んでいても時計の女の子が気になって仕方ない。

初恋か?

申し訳ないが正直、それ以降自分と時計の女の子はどうなったのかは全く覚えていない。衝撃の出会いと、とにかく気になって仕方なかったことだけ覚えている。人間限定でないのならこれが初恋と言うことになると思う。ならば初恋は2次元でした事になる。しかし今は人間の女性が好きだ。